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神戸新聞、コラム正平調書き写し

未来の世界に帰ったはずのドラえも
んを「見かけた」と、ジャイアンが
言う。のび太はうれしさのあまり駆
け出して、なけなしのおこづかいで
どら焼きを買う。だがこれは、ジヤ
イアンがエープリルフールについたウソだ
った◆それを読み、子どもながらにショッ
クを受けたのを覚えている。でも原作者
の藤子・F・不二雄さんは優しかった。最
後には未来の道具でウソがホントになり、
本物のドラえもんに会える結果が用意され
ていた◆おとといの本紙に載った小さな記
事を読み、しばし考えた。大手弁当チェー
ン「ほっかほっか亭」が1日、エープリル
フールの企画でSNSに「ライスの販売停
止について」と題した書面を投稿し、謝罪
した◆コメの価格高騰を風刺する狙いだっ
たそうだが、ウソかどうか分かりづらい、
と批判が殺到したという。白いご飯のおい
しさが売りだけに、悪気はなくても動揺し
た客がいたのだろう。ユーモアは、かくも
難しい◆そういえば韓国の尹鍚悦(ユン・ソンニョル)大統領が
昨年12月に、「非常戒厳」を宣言したと聞い
たとき、下手なフエイクニュースではと疑
った。内政の混乱はどこの国にもある。民
主主義を自ら捨て去るような愚かを誰がする
かと◆その伊氏が罷免された。今更「ウソ
だった」とは言えないだろう。 2025・4・5

神戸新聞、コラム正平調書き写し 末尾に我がコラム

あなた、これを読んでいるあなた、
あなたと言われて、どう思います?
失礼と立腹するか、そうでないか。
最近も交流サイト(SNS)で論争
になっていた◆ドイツ語などでは、
二人称に敬称と親 称があり「あなた」と
「君」のように訳し分けると習ったもの。
ちなみに、新明解国語辞典によれば「自分
と同等程度の相手を軽い敬意をもって指す
言葉」だ◆しかし、現在は敬意が下落し、
「特に男性が目上の人や初対面の人に用い
ると、見下したような印象を与えやすい」
とも、確かに。わざわざ二人称を使うと、
距離感がある。「あなたは何様ですか」と
言われたら、立ち直れそうにない◆いや、
あなたに罪はない。校正者の大西寿男さん
は「その場の状況や文脈により、人をばか
にする言葉にも尊重する言葉にもなる」と
話す。だから「適切か不適切かを主張し、
正しさを譲らないのは悲しい」と◆二人称
が「YOU}だけの英語も、そうだろう。
トランプ米大統領は普段と変わらぬ黒い
シャツで現れたウクライナのゼレンスキー
大統領を出迎え、言った。「ユーは今日、
随分着飾っている」◆どちらの「あなた」
かは明らか。通訳抜きの会談が事態を悪く
し、米世論は二分した。どうか主張の前に
尊重を。あなたに、切に願う。2025・3・15、

チョット我がコラム
あなた、って漢字で書くと、貴方、貴女、貴男、と成るから尊敬語の様な感じだけど、私はそう呼ばれると馬鹿にされてるようで、いい感じがしないなぁ~、矢張り氏で呼ばれる方が良い、ま、どちらでもに成ると言う事は、哲学的かな?二生、三生、考えても答えは出ないな、言葉って、難しいな

神戸新聞、コラム正平調書き写し 

先の戦中、作家の池波正太郎さんは
海軍に召集された。敗戦後は仕立て
直した軍服をつぎはぎだらけになる
まで着たと回想の随筆にある。誰も
が食べることに必死で、装いなどは
後回しだったと◆「戦後、はじめて、なつ
かしい背広に躰(からだ)を包んだのは、たしか昭和
二十五年の春だったとおもう」。終戦から、
人々は平和と復興の香りをかいたのかもし
れない◆「今日は着飾っている」。トラン
プ米大統領がウクライナのゼレンスキー大
統領の服装をからかった。「世紀の口論」
を演じた、先日の首脳会談である。「スー
ツを持っていないのか」と聴く米国の記者
もいた◆ロシア軍の侵攻を受けて以来、ゼ
レンスキー氏が軍との連帯を示すためにス
ーツを着用せず、Tシャツやトレーナーと
いったラフなスタイルで通していることは
良く知られる。この日も黒い長袖のシャツ
だった◆領土と人間の尊厳を踏みにじられ
た祖国は、今この時も懸命の抵抗を続けて
いる。トランプ氏らの発言は、米国を同志
と信じて侵略にあらがうウクライナの人た
ちを「着る服がないのか」とあざけったに
等しい◆懐かしいスーツに袖を通す日を、
みんなが待っているというのに。祖国の平
和と安全という名のスーツを。2025・3・5

神戸新聞、コラム正平調書き写し 

人は一般に口達者になった。当世は
全部がおしゃべりといってもよい。
民俗学者柳田國男がそう書いてから
80年余り、人はますますおしゃべり
に忙しい◆長く一つ土地で暮らして
いれば、気心ば知れ、言葉も省略される。
ところが都市化が進むとそうはいかない。
見知らぬ人がつながるには世間話がいる。
そこへメディアが発達し、新しい話の種が
次々と提供された◆さらにデジタル空間で
おしゃべりは、時や所を問わず、文字でも
できるようになった。話し下手だと臆して
いた人も、よほど物が言いやすくなった。
けれども話を広げ、膨らませやすくなった
からこそ、注意が必要だ◆元は、聴く人の
耳を喜ばせたものを「ハナシ」と呼んだ、
と柳田は言う。うわさ話もその一つ。誇張
も有れば、作り事もある。昔話や世間話で
「~だそうだな」と添えるのは、真実を請け
合われぬという意味だとする◆「今日世間
で口達者と言はれるのは、大抵は考へ無し
に物を言ふ人たち」だとも柳田は評する。
目の寄るところに玉も寄る。耳目を引く話
であるほど、事実確認のファクトチエック
が求められる◆関西由来の「知らんけど」
まで、便利な責任回避として流行語になる
時代である。柳田の期待した、自分の言葉
で話す社会へ、道はまだ遠い。2025・2・16

神戸新聞、コラム正平調書き写し 末尾に我がコラム

奈良に住む友人に誘われて、節分の
「鬼の調伏(ちょうふく)式」を見に吉野町の金峯
山寺(きんぶせんじ)に出かけたのは、もう20年ほど
前のこと。ここでは各地で追い払わ
れた鬼を招き入れるため、唱えるは
「福は内、鬼も内」◆全国から節分や春節
(旧正月)の便りが届き、暦の上では立春
が過ぎた列島に今季最強の寒気がやってく
る、気象庁と国土交通省は大型台風襲来の
ような緊張感で、日本海側を中心に大雪へ
の警戒を呼び掛けた◆北陸、東北では2日
間で1㍍を超す積雪の予報だ。気象庁の会
見を確認し、江戸時代に著された「北越雪
譜(ほくえつせつぶ)」(岩波文庫)を取り出す。豪雪地帯で
命をつないできた人々の暮らしを今に伝え
る◆北陸編者の鈴木牧之(ぼくし)は、この地で特産物の
「縮(ちぢみ)」が織られるのは利益を得るというよ
り、手をむなしく暮らすことのないための
営みと記す。雪に閉ざされ気を病まぬよう
機を織る。その厳しい日々を思う◆但馬を
訪れた際、雪は稲の花の象徴で幸福、つま
り豊作をもたらしてくれるという話を聞い
たことがある。ここにも雪と生きる人々の
心情が。そして神戸に暮らす身としては雪
道で転ばぬよう、ペンギン歩きに努めるば
かり◆「限りなく降る雪何をもたらすや」
(西東三鬼)。無事に最強寒気をしのいだ
との報が北から届くのを待つ。2025・2・4
ちょっと我がコラム
♪雪やこんこんアラレやこんこん降っても降ってもズンズン積もる♪私思うにホントにそうだな、40年ほど前になるかな?大雪で大変だった事思い出した、喫茶店やってたので駐車場の雪整理に汗ダクダクで雪掻きした事、雪は溶ける処かズンズン降り積もる、姫路は雪など殆ど降る箏が無い、雪国のお方々は毎日が大変、改めて本日のコラム考えた

神戸新聞、コラム正平調書き写し

あの大きな揺れに襲われたとき、パ
ンツ一枚で逃げ出した。阪神・淡路
大震災の朝、イチローさんは神戸市
西区にあったプロ野球オリックス・
ブルーウエーブの寮にいた。これは
ただ事ではない。初めて命の危機を感じた
という◆ドラフト4位の4年目、色白で風
変わりな打法の華奢(きゃしゃ)な青年ー。当時はそん
な印象だったイチローさんが米国で野球殿
堂入りを果たした。残念ながら満票とはな
らなかったものの、アジア人初の快挙であ
る◆長らく「気難しい職人」というイメー
ジだったが、震災10年を前にインタビュー
したとき、はじけるような明るさとサービ
ス精神、人なつっこさに驚かされた。そこ
で語ってくれた言葉は、神戸への愛着と励
まし◆「一番何かを感じて成長する時期に
神戸にいた。今ある僕の人格や考え方は、
ほとんど神戸で作られたもの」「神戸は第
二の故郷。行くのではなく、帰る場所」だ
と◆それは今も変わらないようだ。日本で
野球殿堂入りした先週の会見でも震災30年
に触れ、「神戸は今も特別な場所」と語っ
ていた◆数々の金字塔を打ち立てた後は、
高校球児の指導に駆け回る。永遠の野球少
年の姿を見ていると、あの至言が浮かぶ。
「小さいことの積み重ねが、とんでもない
ところにいく、ただ一つの道」2025・1・23

神戸新聞、コラム正平調書き写し 末尾に我がコラム

図書館になく、店頭でもあまり見か
けないのに毎月、新聞に最新号の広
告が出る雑誌がいくつかある。なの
で、広告の内容を見て想像をたくま
しくすることがしばしば、その一つ
が「月刊住職」◆正月の特集を見ていく
とー。まず「人口減少でもお寺が不足して
いる実態」。ほかに「師僧の理不尽になぜ
弟子は抗(あらが)えないのか」。さらに「葬儀業界
の不公正取引の現状と法的疑念」。もしか
して、渾身(こんしん)の告発記事か◆お寺を通じて社
会に経済、事件とさまざまなものが見えそ
うで面白い。そういえば昨年末、東京の増
上寺に Pay  Pay (ペイペイ)でさい銭
が供えられるQRコードが設備され、話題
になった◆住職さんも宮司さんもご家族も
年末年始は大わらわで「働き方改革もどこ
吹く風」の声を聞く。一方、世間では9連
休が明けて昨日、仕事始めを迎えたところ
が多かった。初出勤の電車の中では「今年
もよろしく」のあいさつがあちこちで交わ
された◆俳人の桂信子にこんな句がある。
「九十の顔(かんぱせ)かこれ初鏡」。数
え年で90歳になった元旦、新年最初に鏡を
見たときの句という。孤独や覚悟を秘めつ
つ、老いを突き放し面白がる心が感じられ
る◆今年はどんな年になるか。面白がる精
神を忘れず向き合いたいもの。2025・1・7

我がコラム
4・50年程前、初詣のお賽銭に小切手ってのが有った、その時すごく衝撃的だったけど、今度は Pay  Pay 次から次ぎへと時代が変わりビックリする事ばかりで、神社仏閣の方としては何としても人出の多い正月に、参拝者はご利益を先に後払い、兎にも角にも、先手必勝というところかな?

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