9回特攻に出撃して、9回とも生き
て帰ってきた人がいる。「体当たり
しろ」「必ず死んで来い!」。そう
命令する上官にあらがい、敵艦に爆
弾を落として帰還した。佐々木友次(ともじ)
さん、当時21歳◆特攻とは飛行機ごと、あ
るいは人間魚雷となって敵に突撃する決死
の攻撃のこと。なのになぜ、そんなことが
できたのか。上官や周囲は何と言ったか。
だれもが抱く疑問に迫ったのが作家の鴻上
尚史さんである◆佐々木さんは、陸軍の最
初の特攻隊「万朶(ばんだ)隊」に選ばれた名パイ
ロットだった。2017年に出版された「不
死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗した
か」(講談社現代新書)に印象的なやりと
りが書いてある◆技術の高いパイロットほ
ど一撃一死の特攻は無駄だと考えていた。
万朶隊の隊長自身がそうだったと文献や証
言で明らかにしている。佐々木さんは言っ
た。「死ななくてもいいと思います。その
代わり、死ぬまで何度でも行って、爆弾を
命中させます」◆そして終戦。すでに特攻
で散ったとされ、実家の北海道で盛大な葬
儀も済んでいた佐々木さんは、ひっそりと
92歳まで生きた◆79回目の終戦の日が巡り
来た。死を命じられてなお自分を貫いた人
がいる。国家とは、個人とは、佐々木さん
から学ぶことはあまりにも多い。2024.8.15
ちょっと我がコラム
この記事、涙なくして読めない、戦争現場のむごたらしさ、国の政策、上下関係、肉親関係、周囲との交わり、自身の判断力も想定しながらいかに生きるか?・・・本当に戦争って駄目駄目駄目XXXXX