!!終戦特集!! 8月14日投稿文
子供の頃の戦争体験談や暮らしぶり等を後世に伝える企画
タイトル ◆勉強したくてもできなかった母◆
藤本 永子 73歳(無職 南あわじ市)
八幡神社にある忠魂碑の
戦没者名簿に母の兄の名前
が刻まれている。早い時期
に亡くなったらしく、野辺
送りが印象的だったと母は
言っていた。その霊を、実
家である母の弟の家族が遺
族として守っている。
昭和3年生まれの母は、
向学心に燃えて女学校に進
んだ。しかし戦争中だった
ので、勉学はかなわず工場
作業ばかりに明け暮れた。
その時の悔しさを、後に娘
である私によくぶつけてき
た。「お母ちゃんらは勉強
したくてもさせてくれなか
った。平和な時代に生きて
いるあなたたちは、いくら
でも勉強できるのに」。と
はいっても、思うように成
績が伸びない時は、そんな
母親がうとましかった。
晩年仕事から引退した母
は、同級生の友人とともに
老人大学や公民館活動に走
り回った。青春時代を取り
もどしたかったのだろう。