記事一覧

神戸新聞、コラム正平調書き写し 5/3

世界の理不尽と闘う女性たちを描くN
HKの朝ドラ「虎に翼」に、彼女は
出てくるだろうか。連合国軍総司令部
部(GHQ)で日本国憲法起草に関
わった、ベアテ・シロタ・ゴードン
さん◆22歳で憲法24条の男女平等のくだり
を担った。15歳まで日本で過ごし、服従を
強いられる女性の姿に驚いたという。GH
Qでは「憲法に男女平等を書かなければ、
日本は永久に変わらない」と訴えた◆「米
国の押しつけ憲法」の批判には「自分たち
の憲法よりいいものを贈った。それを押し
つけとは言いません」とピシャリ。そんな
彼女が「何より、日本人が求めていた」と
語ったのが憲法9条の平和条項だ◆戦後、
世界の支援やビジネスの現場で戦争をしな
い国のイメージが信用を高める。平和を愛
し、武器売買に手を染めない。それが日本
人◆この旗印が国民に問われることなく、
政府の意向で変わりつつある。防衛装備移
転三原則、次期戦闘機の第三国輸出解禁。
作家の澤地久枝さんは本紙に「内閣の閣議
決定が国の前途を決め、憲法は顧みられな
い」と書いた。若い世代と危うさを共有し
たいとも◆澤地さんは昭和一ケタの世代。
「大正もだんだん明治に似てガンコ」(川
上三太郎)。そして昭和も。ガンコに平和
憲法にこだわる先人に連なる。2024・5・3